一つシあるだけで印象をガラッと変えてしまうシミ。
そんなシミにはさまざまな種類があり、それに合った治療法が存在します。
ところで、あの赤毛のアンのような「そばかす」と、女性ならではの悩みである「肝斑」の2つのシミは、シミの中でも扱いが厄介で、治療がとても難しいと言われています。一体なぜでしょうか。
そもそも、そばかすと肝斑は自分で正確な診断を下すのが困難です。そして、そこに他の種類のシミが混在する可能性の高いシミでもあるのです。
今回は、それぞれの「セルフケアでできる事」と「クリニックの治療」を徹底検証していきます。果たしてそばかすと肝斑は消すことができるのでしょうか。
とにかく気になる顔のシミです。しっかりケアして明るい肌を取り戻しましょう!
そばかすと肝斑はセルフケアでは消えない!|正確な診断が鍵
実際に市販では、たくさんのシミのケア商品が出ています。化粧品だけではなく、サプリやドリンクなどもありますね。
それらは当然に多少の効果はありますが、継続には相当なお金と時間と労力が必要になってきてしまいます。そして、残念ですが薄くなっても消えることはありません。
なぜなら、市販薬は安全性の観点からも「出来にくくする」「薄くするのを促す」という、市販薬ならではの特質を持っているからなのです。
また、それらは専用のものではなく、「シミケア用」としてたくさんの種類のシミを対象にしているものが多いということ、そして例え「○○ケア専用」とあっても、自分の診断が誤っていたり、シミが混在したりしていて、適切なケアになっていない可能性もあるというのも大きな理由です。
シミの種類によってはケアを間違えると濃くなってしまうこともあります。まずは、自分のシミの種類を正確に知るためにも、クリニックで医師に診断をしてもらうというのが治療の鍵となるのです。
では、そばかすと肝斑の「セルフケアでできる事」と「クリニックの治療」の徹底検証に入りましょう。
セルフケアでできるそばかす・肝斑治療|予防・悪化を防ぐ
セルフケアでの治療としては、「消すのではなく薄くする」ということが大前提です。
なぜなら、基本的に化粧品はお肌の角質層までしか浸透することがありません。化粧品の管理を行っている薬事法でも化粧品が角質層より奥まで浸透するという広告は禁じられています。
ですから、シミができる根本の層である基底層までは到底届かず、角質層にある表に出てきそうな細胞の剥離を早めたり、同じく角質層にあるバリア機能(外部からの防御機能)を正常化したりしてシミの治療をいくというのが化粧品治療のメカニズムです。
ではどんな治療法があるのか、セルフケアでの治療をみていきましょう。
セルフケアでそばかす治療をする
そばかすの原因は「遺伝」です。そして、その多くは思春期までに発生するいわゆる先天性のもので、例えるならば、皮膚にメラニン色素が長年沈着した薄いホクロのようなものなのでセルフケアだけでは消せません。
また、そばかすは色白な人ができやすいと言われていますが、色白の人は老人性色素斑ができやすい体質でもあるので混在していることが非常に多いのも特徴です。
そんなそばかすをセルフケアするならば、美白効果のある化粧水や美容液が効果を発揮します。先天性のそばかすの場合でも、美白化粧品によるスキンケアやUVケアにより薄くなる可能性は十分にあります。
美白化粧品は肌質によって向き不向きがありますが、トラネキサム酸やグリチルリチン酸ステアリル、ビタミンC誘導体などの美白成分を含むシミ対策のシリーズから選ぶとよいですね。
セルフケアで肝斑を治療する
肝斑の根本原因はわかっていません。悪化の要因として、女性ホルモンや肌への摩擦、紫外線との関連が指摘されていますが、どちらかというと「外」よりも「内」に大きな原因があると考えられています。
こちらもセルフケアでは消すことができないシミです。
さらに一般的なシミと同じように治療をしてしまうと逆に悪化してしまうので注意が必要です。
肝斑のセルフケアで大切なことは、「悪化させない」ことと「薄くする努力をする」ことです。
洗顔やメイクなどは刺激を極力抑え、紫外線対策を入念にしてください。また、市販の内服薬ではトラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB6などは肝斑の改善に効果がある成分と言われています。
例えば、市販薬の「トランシーノⅡ」は8週間の服用で85.2%の人に改善があったと公表されています(顕著な改善は40%)。
さらに、化粧品ではお肌の漂白剤と言われるハイドロキノン入りのものを使用するとよいでしょう。ハイドロキノンは紫外線と相性が悪いなどの注意事項がいくつかあります。取り扱いには注意してくださいね。
一度しっかりとした診断を受け、そのうえでゆっくりとセルフケアで治療していくのも一手ではないでしょうか。
クリニックでできるそばかす・肝斑治療|自分にあった治療で治す!
クリニックで治療を受けるにあたっての最大のメリットは、医師の正確な診断もと、たくさんの治療法を吟味できる事です。
内服、外用、マシンを使った治療等、同じ症状でも年齢や生活スタイルによって治療法を変えることが可能です。
また、1回の料金が高額なため、敷居が高く感じますが、長い目で見るとセルフケアよりコスパがよく効率的と言えるでしょう。
ではどんな治療法があるのか、クリニックでの治療をみていきましょう。
クリニックでそばかすを治療する
セルフケアでは消すことができないそばかすですが、クリニックでの治療としては難易度の高いものではありません。適切な治療をすれば比較的簡単に消すことが可能なシミなのです。
治療方法は大きく3つに分けられます。
QスイッチYAGレーザー
濃いそばかすや、大きめのそばかすに有効なマシンです。短時間に強力なレーザーを照射してメラニン色素を破壊します。クリニックや照射範囲によっても異なりますが、料金はおおよそ5万円~10万円が相場です。ダウンタイムは1週間ほどありテープなどでの保護が必要になるので日常生活への影響が大きいことがデメリットです。
レーザーフェイシャル・光治療
メラニン色素への破壊力はQスイッチYAGレーザーよりは弱いですが、お顔全体に広がったそばかす治療やダウンタイムを避けたい場合に活用します。また、後天性のそばかすにとても有効です。
・レーザーフェイシャル…主にロングパレスアレキサンドライトレーザーを用いた治療
・光治療…幅広い波長の光を照射するIPL(フォトフェイシャル)を用いた治療
月に1~2回×4~5回の照射で定期的に治療する必要があります。ダウンタイムはほとんどありませんが数時間ほど赤みや腫れが出たりする場合があります。料金はおおよそ1回1万円~2万円が相場です。
外用薬:ハイドロキノン・トレチノイン
・ハイドロキノン…メラニン色素の生成を抑えたり、薄くしたりする効果の薬
・トレチノイン…ピーリング効果(剥離効果)のある薬
基本的にはマシンの施術と併用して処方されることが多いですが、ダウンタイムを避けたりホームケアを希望したりする場合は外用薬を塗布して薄くしていくという治療になります。いずれも市販薬ではなく副作用や禁止事項がある塗り薬なので医師の指導のもと正しい使用をしてください。
クリニックで肝斑を治療する
肝斑は「外」よりも「内」に大きな原因があると考えられているため、クリニックでの治療でも内服は欠かせません。また、他の種類のシミと混在している場合が非常に多いため、いきなり一般的なレーザー治療をしてしまうと悪化する恐れがあります。
まずは、内服、外用、そして医師の判断のもと専用のレーザーをするという治療法がスタンダードです。
内服薬:トランサミン(トラネキサム酸)
トラネキサム酸にはメラノサイトの活性化につながるプラスミンの働きを阻害する作用があるので、メラニンの生成を前段階で予防することができる薬です。
また、メラノサイト内でメラニン色素の生成を抑えるL-システイン、美白効果のあるビタミンC(アスコルビン酸)、抗酸化作用で活性酸素を除去するビタミンEも一緒に処方されるのが一般的です。
内服薬の料金は、おおよそ1月5,000円が相場です。
外用薬:ハイドロキノン・トレチノイン
・ハイドロキノン…メラニン色素の生成を抑えたり、薄くしたりする効果の薬で、ラノサイト内のチロシナーゼというアミノ酸をメラニンに変える働きを阻害。また、メラノサイト自体を減らしたりメラニン色素を薄くしたりする作用のある塗り薬
・トレチノイン…古い角質を柔らかくして、細胞分裂を促進させ、ターンオーバーを促す効果のある塗り薬
レーザートーニング
QスイッチYAGレーザーを用いたレーザートーニングという機能です。「メドライトC6」や「スペクトラ」など一部のQスイッチYAGレーザーにその機能が搭載されていて、低出力でレーザー照射し、シミや色素沈着を悪化させることなくメラニン色素を除去していきます。
しかし低出力なので一気に消すことはできず、数週間おきに10~15回受ける必要があります。料金はおおよそ1回5,000円~10,000円が相場です。
そばかすにしても肝斑にしても、クリニックでの治療は今や「治る」時代となっています。より早く、キレイに除去したいのならば、迷わずクリニック治療がベストですね。
まとめ
「セルフケアでできる事」の基本は「予防する」ことと「悪化を防ぐ」ことです。一方「クリニックの治療」は自分に合った治療法で「治す」ことです。
どちらもシミ治療においてはとても大切なことですね。
一方を選ぶ必要があるわけではないので、ここは両方を組み合わせて、自分オリジナルのスペシャルケアを作ってみてください。
これでそばかすにも肝斑にもサヨナラです!明るいお肌と同時に、明るい笑顔を取り戻してくださいね!