一口にシミと言っても、その種類はさまざまです。
小さなころから気にしているそばかすもあれば、気づかないうちに点々と出現してきたシミもあります。
2019年に20代~60代の女性500人を対象に行われた「シミに関する意識と実態調査」
※では、顔周りで気になること第1位は「シミ」という結果が出ました。部位別にみると、「頬骨」(44.1%)、「目の下」(39.1%)、「目じり」(26.6%)という順番でシミの悩みが目の周りに集中しています。
さらに、この調査によると、シミがある顔はシミがない顔に比べて「7.3歳」も老け顔に見える、という結果が出たのです。
こんなにも見た目の印象年齢を上げてしまうのですね。
ところで、そもそもそのシミを消すことは可能なのでしょうか?
今回はシミについて特集します。何が原因で、どんな治療法があるのか、シミの原因とその種類別の治療法を一挙ご紹介します。
あなたのシミ治療に役立つこと間違いなしですよ!
※2019年DHC「Cゾーン」PR事務局調査にて
消せるシミと消えないシミがある|シミの種類別の原因
シミにはたくさんの種類があり、治療法もさまざまです。
できて日の浅いシミは、化粧品などの普段のケアで消すことができます。
しかし、長い間放置してしまったシミや、歳月を重ねて出きた厚みのあるシミなどはセルフケアだけでは消せないと言われています。
一般的にシミは、肌内部で過剰に生成されたメラニン色素の沈着によっておこります。歳月とともに皮膚再生のサイクル、ターンオーバーが鈍ってくると色素沈着が肌に蓄積されて、シミが色濃く浮き出てくるようになるのです。
では具体的になにが原因で色素が肌に蓄積されてしまうのでしょう。
まずはシミの種類とおおよその発症年齢を見てみましょう。
主なシミの種類は4つ|おおよその発症年齢
顔に出来るシミの種類は4種類です。
あなたのシミはいつどの辺りに出来たものでしょうか。照らし合わせてみてください。
雀卵斑(じゃくらんはん)|3歳~幼児期から
通称そばかすです。小さな淡褐色、または褐色の色素斑が鼻を中心に分布します。遺伝性が強く、3歳ごろから見られ、思春期に特に目立つようになります。白人や色白の人に多いのも特徴です。
肝斑(かんぱん)|30代~40代の女性に多い
頬骨に沿って左右対称に出来るぼやけたシミです。妊娠・出産・経口避妊薬などにより誘発あるいは悪化します。高齢者ではほとんど見られず、30代から40代の女性に多くあらわれます。
老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)|10代~20代の発生もあり
多くのシミがこのタイプです。くっきりとした濃いシミで、一般的に若いころの日焼けなどによって生じる老化現象が原因です。日光性色素斑とも呼ばれ、60代くらいでよく発生が認められますが、早い人では10代~20代から出始めることもあります。
炎症後の色素沈着|年齢問わず可能性あり
化粧かぶれ、やけど、ニキビ、虫刺されなど炎症が治った後に生じる褐色のシミです。歳月とともに軽減することもありますが、紫外線を浴びることで悪化して濃くなることもあります。
自分のシミの種類がわかれば、おのずと治療法もわかってきます。そして、年齢を重ねたからシミができるというわけではなく、環境や状況で若くしてもシミになるケースもあるのです。
では次に、このようなシミが出来てしまうそもそもの原因を見ていきましょう。
主なシミの原因は4つ|最大の原因は紫外線
主なシミの原因は「紫外線」「女性ホルモンの乱れ」「ストレス・生活習慣」「活性酸素」の4つです。では一体どのような原理でシミ形成へとなってしまうのでしょうか。
紫外線
紫外線を浴びるとメラノサイトが刺激されて、シミの原因であるメラニン色素が増加します。年齢を重ねると肌の新陳代謝が滞るため、メラニン色素が排出されずに留まりシミとしてあらわれるのです。
女性ホルモンの乱れ
妊娠や出産、閉経などの体調変化によりホルモンバランスが崩れると、黄体ホルモンがメラノサイトを刺激します。すると一時的に黒色メラニンの生成が高まると考えられており、シミが増えることがあるのです。
ストレス・生活習慣
仕事のストレスや人間関係のイライラなど、精神的なダメージを受けると脳下垂体からメラニンを刺激する物質が分泌されます。また、乱れた食生活や、睡眠不足などの免疫低下によりメラニンが増加し、シミができることもあります。
活性酸素
体内に入った酸素の一部は、ストレス、タバコ、大気汚染、脂っぽい食事などの影響で活性酸素に変化します。この活性酸素がメラノサイトを刺激して黒色メラニンの生成を促し、シミができてしまうのです。
実は、この4つの原因の中で最大のシミ形成要因は紫外線です。なんとシミ形成の7割もが紫外線に起因しているのです。シミの種類と照らし合わせて下図にまとめてみました。
シミの種類 | 主な原因 | セルフケアで治療 |
雀卵斑
|
・遺伝
・紫外線で悪化 |
難しい |
肝斑
|
・女性ホルモンにより悪化
・紫外線により悪化 ・摩擦により悪化 |
難しい |
老人性色素斑 |
・紫外線
・活性酸素 ・ストレス、生活習慣 |
薄めのものであれば
治療可能 △ |
炎症後の色素沈着 |
・やけど、ニキビ、かぶれなどの炎症
・紫外線 |
早期の場合、可能 △ |
全てのシミの種類の形成原因に紫外線が入っています。お肌の加齢は、実年齢ではなく紫外線が引き起こした蓄積年数の結果なのです。
まずは、紫外線をしっかりと予防し、メラニンの過剰生成や蓄積を防ぐことがもっとも大切なシミ治療になるということですね。
さらに、雀卵斑(しばかす)と肝斑においてはセルフケアで治療していくのは基本的に難しいと言われています。この2つのシミに関しては次回以降に詳しく触れていきます。
シミ種類別治療方法|ニセ化粧品に注意!
2018年、国民生活センターや厚労省が、あり得ない効果をうたっている(誇大広告)サプリや化粧品などのネット上の広告に関して積極的に指導を行いだしました。
例えば、あるシミクリームのキャッチコピーを見てみると、「2週間でみるみるシミが薄くなってきた!」と書いてあります。ご存知の通り、皮膚の新陳代謝はおおよそ4週間程度ですので、年齢を考慮に入れても人間業ではありませんよね。
もちろんちゃんとした効果のある化粧品もあります。それらを早期に適切に使用すれば、シミを薄くすることは可能です。誇大広告に騙されずに、しっかりと理論的に納得する化粧品を選んでください。
そして、どんなに良い化粧品でも、シミを薄くするにはある程度の時間はかかります。また根本的に消すのではなく「薄くする」という概念の元使用するのも忘れないでくださいね。
では、その化粧品も含め、他にはどのような治療法があるのでしょうか。先ほどのシミの種類別に見ていきましょう。
化粧品でシミを薄く・予防|続けられるものを選ぶ
まず、化粧品でシミを薄く・予防するためには、有効な成分が入っている必要があります。それには厚生労働省から認可された「美白有効成分」配合の化粧品を選ぶとよいでしょう。有効成分は下記のとおりです。
【シミを薄くする美白有効成分】
・ビタミンC誘導体
・リノール酸S
・コウジ酸
・エナジーシグナルAMP
・プラセンタエキス など
【シミを予防する美白有効成分】
・ビタミンC誘導体
・アルブチン
・トラネキサム酸 など
成分表記を見るのが面倒な時は、「医薬部外品」や「薬用」と書かれたものがおススメです。これらのシミ治療化粧品にはしっかりと上記成分が配合されています。
また、シミ治療で忘れてはいけないのが「ハイドロキノン」という美白成分です。漂白効果が強いので、刺激や炎症、UV対策などに気を付ける必要がありますが、非常に高い効果が期待できる成分です。
そして、これらの化粧品を選ぶポイントは「使い続けていけるもの」を選ぶことです。
化粧品によるシミ治療は、最低でも3か月~継続することで効果が実感できます。「無理のない価格」「使いごこち」を選ぶことがシミ治療成功への道なのです。
クリニックでシミ治療|フォトフェイシャルは万能?
化粧品での治療も、早期に対応することや、根気強く続けることで一定の効果は見込めます。
一方、クリニックには専門の医師がおり、シミの種類に合わせた適切な治療をスピーディーに受けることができるのです。
セルフケアに限界を感じたり、長年放置をしてしまったりしたシミなどは、クリニックで効率よく除去するのがベストと言えます。シミの種類別にクリニックでのスタンダードな治療を見てみましょう。
【雀卵斑】
- QスイッチYAGレーザー
- Qスイッチルビーレーザー
- フォトフェイシャル
- アレキサンドライトレーザー
【肝斑】
- 塗り薬・飲み薬 (トラネキサム酸やビタミン剤など)
- フォトフェイシャル
- イオン導入
【老人性色素斑】
- QスイッチYAGレーザー
- Qスイッチルビーレーザー
- フォトフェイシャル
- アレキサンドライトレーザー
【炎症後の色素沈着】
- ケミカルピーリング
- イオン導入
- ビタミン外用
- ハイドロキノン外用
- フォトフェイシャル
ざっとスタンダードな治療を並べただけでもたくさんのマシンがありますね。
基本的に厚みがある場合や、濃すぎるシミには「QスイッチYAGレーザー」や「Qスイッチルビーレーザー」 というマシンが使われます。
その他のシミや全体的なくすみには、シミ治療の王道であるフォトフェイシャルが活躍しています。フォトフェイシャルといえば、1999年に発売され、約20年もの間わたし達のシミ治療を担ってきている優れマシンです。クリニックでシミ治療=フォトフェイシャルと言っても過言ではないかもしれませんね。
まとめ
今回はシミの原因と種類別の治療法をお伝えしました。
最大のシミ予防対策は紫外線の予防です。シミが形成されなければ治療をする必要はありませんからね。そして、それを踏まえたうえで自分に合った治療法を選択するのがよいでしょう。
次回は、シミ治療の中でもセルフケアが難しいと言われている、そばかすと肝斑の治療について詳しくお伝えしていきます。
そもそもそばかすと肝斑は他のシミも混在している可能性が高いと言われていて、自分で種類を診断するのが困難です。
未来のあなたの治療になるかもしれない特集です。最新のシミ治療マシンもご紹介しますので必見ですよ!